繰り返し言うが,自分は決して呼吸器感染症の専門家ではなく,「呼吸器内科」の専門医であり,呼吸器全般の診療を行うことが使命である.それは地域の基幹病院で,地域でほぼ唯一といってよい呼吸器の専門科(日本呼吸器学会認定施設)であるため当然と言えば当然なのだが,多彩な疾患の診療に従事できることは,呼吸器内科医の喜びでもある.

呼吸器感染症の本でありながら,感染症以外の内容にも触れている.何故なら実際の診療では,患者が「自分の病気は呼吸器感染症ですよ」とは言ってくれないからである.本文中にも繰り返し出てくるが,「感染症であるか否かを診断する」ことがはじめの一歩であり,その目で患者を見られることが呼吸器generalistの強みであり,患者にとっても利益となると信じている.